本ページは、2026年10月10日に開催されたランチョンセミナーのレポートです。
- JCHO全体における医業収益は0.95%増にとどまる一方、材料費が2.93%増となるなど、増収減益の構造的課題に直面しています。
- 令和8年度診療報酬改定(本体改定率+3.09%)における病院重視の傾斜配分を活かし、定量データに基づく病床機能の再評価が急務となります。
- 経営陣の負担を軽減し、データに基づく意思決定を推進するための多職種混成型の経営企画部門の確立と運用が求められます。
現在の病院経営は、物価高や賃金上昇により費用の膨張が収益の伸びを上回る「増収減益」が常態化しています。
JCHO全体においても、令和6年度から令和7年度にかけて医業収益は0.95%の微増にとどまったのに対し、給与費は0.53%増、材料費は2.93%増と費用負担が増加しています。
さらに、1日当たりの入院患者数は2.04%減、外来患者数は1.55%減となっており、早急な対策が必要です。
令和8年度診療報酬改定を活かす増収施策と病棟転換シミュレーション
新設された急性期病院一般入院基本料と救急患者応需係数への対応
本体改定率+3.09%のうち、物価高騰対応分(+0.49%)や経営環境悪化緊急対応分(+0.40%)が病院側に厚く傾斜配分されました。
今後の急性期維持には、救急搬送年間2,000件以上や全身麻酔手術年間1,200件以上といった実績要件が求められる急性期病院A一般入院料(1,930点)の届出など、明確な戦略が必要です。
例えば、救急搬送年間2,000件の場合、救急搬送医学管理料1等により年間約2,483万円の増収効果が見込めます。
地域包括医療病棟への転換判断と実践
高齢者の軽症・中等症救急を多く受け入れる病院は、地域包括医療病棟入院料1(3,367点/日)への転換が有力な選択肢です。
ただし、自院の一般病棟からの転棟割合 5%未満や、退院時ADL低下率 7%未満などの要件クリアに向け、専従セラピスト2名以上の配置や休日リハビリの提供体制構築が求められます。
現状データが示す通り、現場の自助努力のみで増収減益の構造を打破することは困難です。
JCHO各病院(札幌北辰病院、東京山手メディカルセンター等)でも総務企画課経営企画係によるデータ分析や経営戦略立案の取り組みが進められていますが、これを実効性のある施策に落とし込むには、多職種混成チーム(CFT)による客観的な参謀機能が不可欠です。
ソラストの経営支援サービスである、診療報酬適正化診断では、DPCデータやレセプトを用いて算定漏れ等の潜在的な請求可能額を可視化します。
さらに、伴走型収支改善支援を通じて、診療報酬の増収と材料費等の経費削減の両面から実行をサポートします。
外部の専門的知見を活用し、成果を積み重ねることが持続可能な病院経営への第一歩となります。
セミナーのアーカイブ動画及び、当日投影スライド資料を、こちらから無料でダウンロードいただけます。
本ページではお伝えしきれなかった詳細なDPCコード別の増収シミュレーションデータや、病床転換を成功に導く4つのステップなどを網羅した、当日のアーカイブ動画およびスライド資料の完全版をご用意しております。
具体的な経営改善策の検討にぜひお役立てください。
また、ソラストの専門コンサルタントによる貴院のデータに基づいた個別相談も承っております。お気軽にお問い合わせください。
- 2025年度病院経営定期調査等で示されている「増収減益」の状況を打破し、持続可能な「増収増益」体制へ転換したい方
- 令和8年度診療報酬改定(改定率3.09%)後も、賃上げや物価高騰への対応に追われ、十分なキャッシュが手元に残らないとお悩みの方
- ベースアップ評価料等以外で、施設基準の届出や算定漏れ防止といった自院が取り組むべき「診療報酬単価増」の具体的な施策を知りたい方
- 将来の患者動向を見据えた病棟転換シミュレーションや、増収を強力にサポートする事務・経営企画対策の構築に関心がある方
病院経営定期調査の結果が示す通り、医療業界全体で「増収減益」の厳しい状況が続いています。JCHO系列病院においても診療業務収益の伸びに対し、更なる利益確保に向けた取り組みが求められています。
人件費をはじめとする費用の削減は重要であるものの、医療提供体制の維持や昨今の物価高・原材料費高騰を考えると限界があり、今まさに求められているのは確実な「増収(増収増益)」の実現です。
大幅な見直しが行われた令和8年度診療報酬改定(改定率3.09%)ですが、その大部分は職員の賃上げ(1.7%)や物価対応(1.2%)に充てられるため、これらに終始するだけでは病院に十分なキャッシュを残すことはできません。だからこそ、その他の診療報酬算定項目を漏らさず算定すること、そして自院の将来を見据えた適正な病棟構成を推進することが極めて重要となります。
本セミナーでは、「病院経営改善のための増収施策~診療報酬単価増の視点から~」と題し、確実な増収増益へつなげるための具体的なアプローチ、病棟構成の適正化、さらには経営層を強力にサポートする体制づくりについて、最新の業界動向を交えて分かりやすく解説いたします。
| 学会名 | 第11回JCHO地域医療総合医学会 |
|---|---|
| 演題名 | 病院経営改善のための増収施策~診療報酬単価増の視点から~ |
| 開催日時 | 2026年10月10日(土)12:20~13:20 |
| 開催会場 | グランキューブ大阪(大阪府立国際会議場)10F 1009(第9会場) |
| 登壇者 |
林 英樹
所属:株式会社ソラスト 医療事業本部 委託事業管理部 経営支援グループ
2013年4月~2019年1月 複数の医療法人、株式会社を有する医療グループ職員 グループ内の病院の事務部長やグループが抱える病院、診療所(有床・無床双方有)、介護保険事業所、高齢者住宅に係る経営企画業務を行う部署の部署長などに従事 2019年2月~(現在に至る) 株式会社ソラスト 病院の経営コンサルティング業務に従事 |
| 座長 |
岡嶋 繫信 所属:株式会社ソラスト 医療事業本部 関西エリア長 |
| 事後視聴 |
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